先日、我が家に息子が生まれた次の日のことです。
私は、ある人に会いに行きました。
以前同じ法人で働いていた50代女性のケアマネージャーさん。
私が老健のケアマネで、その方は同じ事務所内の居宅ケアマネさんでした。
とても真面目な方で、
いつも仕事の悩みなどを相談させてもらっていました。
別部署のケアマネさんであり、
看護師さんでもあったので、
自分とは違った視点からアドバイスをくださりとてもありがたかったです。
夫婦と娘さん2人の家族4人という構成が私と同じで、
家族のこともいろいろと話をしてくれていました。
家族のことが1番楽しそうに話をしておられたなぁ

去年のある日。
彼女はちょっと腫瘍があるみたいで手術をすることにしたと話してくれました。
入院中にお見舞いに行くと、
手術は上手くいったけど復帰まで少し長引くとのこと・・・。
数ヵ月後に復帰されたので、
私はもちろん笑顔で迎えたのですが。
彼女の顔に笑顔はありませんでした。
とてもイライラしていて、
「通院を続けてるから完全な復帰じゃないし、たぶん仕事辞めるから。」
そう言われました。
ゆっくり話をできるような雰囲気ではなく、
どうしてこんな精神状態なのかは聞かなくても想像できました。
それからまた数カ月間。
彼女と特に中の良かった数名の方から時々情報は届いていました。
ガンの転移がみつかったから治療を続けていたけれど、
これ以上の治療はもうしない方針だと。
自宅での最期を望まれ、
遠方で働いていた娘さんたちも家に帰ってきて、
専属の看護師もつけて自宅で過ごしておられます。
一時は何も飲食できない状態だったようですが、
今は水を飲んだり、
ベッドから起きることができています。
この日は私を含め10人くらいで自宅にお邪魔したのですが、
きついはずなのに綺麗にオシャレをして起きて迎えてくださいました。
声がほとんど出なくなっておられますが、
筆談ではすらすらとお話ができましたよ。
最後の時を迎えるまで、
家族みんなで大切な時間を過ごしておられます。
治療中はあんなに厳しい表情ばかりだったのに、
とても穏やな笑顔がありました。
ガンで死ぬことはそんなに悪い死に方じゃないという考えもありますよね。
誰もが病気や事故である日突然死んでしまうかもしれない。
いつか死んでしまう日は、必ず来る。
死をどう受け入れていくのかを考えた時、
ガンとの闘病の中で、
つらい日々を感謝の日々に変えていくことができる人もいる。
これについては考え方は人それぞれですが、
少なくとも彼女とその家族は、
毎日を大切に生きていくんだという意思が伝わってきました。
一緒に働いていた時、
いつか家にみんなを呼んでバーベキューをしたいと言われいたこともあり、
この日、すでにご主人がバーベキューの準備万端で待っていてくださいました。
「みんなでバーベキューができて良かった」
筆談でそう書いてくれました。
でも、
みんなが帰る時は、
彼女は一生懸命に声を出して言ってくれました。
「じゃあ、またね。」と。
別れ際の言葉は
「さようなら」ではなく「またね」であることが、大事ですね。